「ロリコンさ〜〜〜ん♪」
ピキッ
カオスの表情が一瞬だけ一変する。だが、その声の主を見た瞬間、
カオスの表情はまた元に戻った。表情だけは。
「ちょっと、誰にそんな言葉を教えてもらったんですか?」
もはやブチ切れ状態のカオス。だが、何とか抑えて、フェリシアに質問をした。
「自分で覚えたんだよ。」
「いいですか?私は、ロリコンではありませんよ。」
「じゃあ、私の事は嫌いなの?」
泣き顔になるフェリシア。それを見て焦るカオス。
「い・・・・・いや、そんな事、ある訳無いじゃないですか。何を言ってるんです?」
「じゃあ、好きなの?」
まだ泣き顔になってるフェリシア。
「す、好きです。大好きですよ。」
「じゃあ、ロリコンでしょ。これからはロリコンさんって呼んでいい?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「と、言う訳だが、どうすればいいんだ?アーク。」
「え?・・・・・反論できないんだから、飽きるまで待てばいいんじゃないか?」
「おい!世界を見ろ!」
「おっと・・・・・。て言うかさ、今回は兄さんがこっちに来たんじゃないか。たまには仕事してんだから、
サボってる時に、また来てくれよ。ほら、帰った帰った。」
「・・・・・サボるんじゃないぞ。いいな。」
カオスはその場から消えた。
「だけど、兄さんも振り回されっぱなしだなあ。」
「・・・・・何でそんなに嬉しそうなんです?」
リイナが聞く。
「だって、俺があんな事言ったら、どうなるか分かってるのか?それに、兄さんが困るのってあまり無いからさ。」
「まったく、貴方様には・・・・・・・。」
「俺も見に行ってくるな。」
「ダメですよ。・・・・・・キャア!」
アークがリイナの尻を触る。その間に、アークはいつものように、門をくぐった。
「困りましたねえ・・・・・・・。」
「どうしたの?ロリコンさ〜ん。」
店の中で大爆笑が起こる、はずだった。だが、店の中はいつも通りだった。
そして、その原因となるのは、床に崩れ落ちているテーブルだった。これは、カオスが最初に
「ロリコン。」
と言われた時、大爆笑の店内を黙らせるために、片手で叩き割ったものである。
そう言う訳で、誰も笑う者はいない。もちろん命が惜しいからだ。そして、その時・・・・・。
ザアアアァァァァァァァァァ!!!!!
大雨が降り出す。しかし、幸いな事にここは川の近くではなかった。
「ふぇ?何でさっきまで晴れてたのに、雨が降ってるの?」
「これは・・・・・アークだな。」
「やべえ・・・・・まさか、ここがこんな事になるなんて。」
アークは内心焦っていた。なお、アークはカオスより少し遠くの場所に座っている。
「このせいで兄さんにバレたりしねえよな?」
「バレたな。」
「分かった。すぐに帰る。だから、その背中に突きつけてある、剣をどかしてくれない?」
今、アークの後ろにはカオスがいて、そのカオスは、大剣をアークに突きつけている。
「早く帰れ。」
「・・・・・・・絶対やだね。」
「ならば、無理矢理にでも。」
そう言って2人は店を出て、雨の中、激闘を繰り広げた。
「おかわりくださ〜い。」
そんな頃、フェリシアはまだまだ食べていた。
「カオスさん、遅いなあ・・・・・・・。」
「あれ、お譲ちゃん、さっき別の呼び方してなかった?」
別の客が話しかける。
「だって、そう呼ぶの面倒くさいんだもん。やっぱりカオスさんでいいや。」
こうして、カオスの悩み事はあっという間に解決したのだった。